こんにちは、担当Oです。
※本コラムの内容は、現時点で公表・共有されている中医協での議論や資料を踏まえた方向性に基づくものであり、最終的な告示内容とは異なる可能性があります。
2026年6月の診療報酬改定に向けて、SAS診療に取り組まれている先生方から、CPAP管理についてのご相談をいただく機会が増えてきました。
診療報酬点数の変更についてはすでにご確認済みの先生も多いと思いますが、今回の改定で実務上大きいのは、「どう管理・運用するか」で結果が変わりやすくなる点です。
私自身、日々算定や運用のご相談を受ける中で、「ここを整理しておくと回りやすい」というポイントがいくつか見えてきています。
今回は制度の総論というより、現場で無理なく回すための実務視点に絞って整理してみます。
今回の改定で、CPAP管理の何が変わるのか
2026年改定では、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2が250点から240点へ見直される一方で、持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算15点が新設されています。
この点数の増減だけを見るとシンプルですが、実務として見るともう少し意味があります。
今回の改定の意図と設計は、
「導入しているか」ではなく「継続して使えているかを把握し、患者のCPAP治療を支えられているか」
が評価に関わる形になっています。
モニタリングや継続使用状況といった要素は、いずれも日常運用に直結します。
そのため、算定の可否というよりも、「運用として回るかどうか」が重要になる改定だと感じています。
なぜ今、「継続管理」が重要になるのか
CPAPは、導入してすぐに安定する患者さんもいれば、最初の数週間でつまずく方もいらっしゃいます。
実際の現場では、マスクの違和感や装着の難しさ、圧への不慣れなど、小さな違和感が積み重なって使わなくなってしまうケースも珍しくありません。
一方で、CPAPは継続してこそ効果が出やすい治療です。
そのため、導入そのものよりも「最初の定着」をどう支えるかが、結果的に重要になってきます。
今回の改定は、この実態に合わせて、
継続して使えている状態をきちんと見ていくことが求められている
と捉えると理解しやすいと思います。
クリニックで整理しておきたい実務ポイント
使用状況を確認する流れとツールが決まっているか
モニタリングができる環境があることは前提になりますが、実務で差が出るのはその先です。
誰が確認するのか、どのツール(システム)をどのタイミングで見るのか、どの状態をフォロー対象とするのか。
このあたりが決まっているかどうかで、運用の安定感が変わってきます。
まずは院内での確認フローをシンプルに整理しておくことが大切です。
導入初期のフォローが仕組み化されているか
継続率に影響しやすいのは、やはり導入初期です。
装着方法や違和感への対処、困ったときの相談先などが曖昧なままだと、患者さんが自己判断で使用をやめてしまうことがあります。
一方で、最初にポイントを押さえて説明できているケースでは、その後の継続が安定しやすい印象があります。
今回の改定から継続困難な方は治療中止という選択肢が医療機関側では明確かと思いますので、治療スタートした患者さんをしっかりサポートし、継続に導くことが患者、医療機関双方にとって大事となってきます。そのため、導入時の説明内容や初期フォローについては、ある程度型を決めておくと回りやすくなります。
フォローが必要な患者さんを拾えるか
継続支援を実際に機能させるためには、フォローが必要な患者さんを見逃さないことが重要です。
使用時間が短い、使用頻度が安定していないなど、離脱につながりやすい兆候はある程度パターンがあります。
これを早めに把握できるかどうかで、その後の継続率に差が出やすくなります。
そのため、どの状態をフォロー対象とするのか、どのタイミングで声をかけるのかといった基準をあらかじめ決めておくと、運用が安定しやすくなります。
院内で抱え込みすぎない設計になっているか
CPAP管理は、見た目以上に工程が多い領域です。
問診、検査、説明、機器対応、結果確認、継続支援といった流れをすべて院内で抱え込もうとすると、特定のスタッフに負荷が集中しやすくなります。
実際には、医師、看護師、事務、外部支援などを組み合わせて、役割を分けた方がスムーズに回るケースが多いです。
無理なく続けられる形にしておくことが、結果的に患者さんの継続支援にもつながります。
施設基準・届出などの実務対応ができているか
今回の改定に伴って、必要な施設基準や届出が適切に行われているかの確認も重要になります。
ここでは、新設された加算を含めて、CPAP治療を行うにあたって算定な届出・要件を、ケースに分けて分けて整理します。
▶︎CPAP診療を実施する医療機関:必須
① 持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算の届出
▶︎CPAP患者が毎月受診でなく受診頻度を減らす場合やオンライン診療を実施する医療機関:必須
② 遠隔モニタリング加算の施設基準届出
③ 情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)の施設基準届出
④ オンライン診療実施医師の研修修了
持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算の施設基準や届出様式については、厚生労働省(地方厚生局)が公開している以下の資料をご参照ください。
・在宅持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算 施設基準届出様式(様式20の12)
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/r8-t20-12.pdf
・令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
「毎月診る」から「継続を支える」管理へ
これまでのCPAP管理は、定期受診を中心に運用されてきた医療機関も多いと思います。
ただ、今回の改定を踏まえると、そこに加えて
「使用状況を把握する」「離脱しそうな患者さんに早めに対応する」
といった要素がより重要になってきます。
言い換えると、
「毎月診ている管理」から「続けられるように支えている管理」へ
少しずつ重心が移っている印象です。
6月を待たず、今のうちに整理しておきたい理由
今回の改定で必要な事務対応のポイントについて、
施設基準や届出、CPAP継続管理を実務としてどう回していくかをテーマにしたウェビナーを4月22日(火)19:00〜開催予定です。
- 改定の方向性をどう実務に落とすか
- 導入初期・継続支援をどう仕組み化するか
- 医療機関として6月までに準備・対応しておくこと
- 院内外リソースをどう使い分けるか
といった点を、現場目線で整理します。
ウェビナーは無料開催となりますので下記リンクより参加登録をお願いいたします。
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_AxhXrVL_Qt2bY6esfO_G0g
ご関心のある医療機関様はぜひご参加ください。
制度が変わってから対応しようとすると、実際の運用はすぐには整いません。
モニタリングの確認方法や役割分担、初期フォローなどは、小さな要素の積み重ねですが、整っているかどうかで現場の負担や継続率に差が出てきます。
そのため、6月を待つのではなく、
「今の運用でどこが見えていて、どこが見えていないか」
を一度整理しておくことが、現実的な対応になると思います。
まとめ
今回の改定で見直したいのは、点数そのものよりも、継続率を意識した運用が回るかどうかです。
使用状況の把握、導入初期のフォロー、フォロー対象の抽出、役割分担。
このあたりが整理されていると、CPAP管理は無理なく安定しやすくなります。
私自身、現場のご相談を受ける中で感じているのは、少しの整理で大きく回りやすくなるケースが多いということです。
2026年6月改定に向けて、CPAP管理やSAS診療の運用を見直したい医療機関様は、ぜひお気軽にご相談ください。
また、ウェビナーへのご参加もお待ちしております。
SAS検査からCPAP継続管理まで、実務として無理なく回る形を一緒に整理できればと思います。
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