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改定後でも間に合う!これからできるSAS診療の診療報酬改定対策

こんにちは、担当Oです。

「診療報酬改定から時間が経ってしまい、もう対応が遅れているのではないか」。
そう感じている先生や事務長の方もいらっしゃるかもしれません。ですが、私はむしろここからが本番だと思っています。

今回の睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療に関する改定は、単純に点数表を見て終わる話ではなく、検査から治療、そしてCPAP継続支援までをどう運用するかが問われる改定です。
言い換えると、改定内容が現場に浸透し始めた今こそ、院内フローを見直す絶好のタイミングです。大事なのは、「何が減ったか」だけでなく、「何を整えれば取り返せるか」を整理することです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療の改定で、まず押さえておきたい全体像

今回の改定で一番目を引くのは、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2が250点から240点へ見直しになった点です。
一方で、持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算15点が新設され、一定の管理体制を満たせば合計255点となります。
つまり、表面上は「10点減」でも、運用を整えられる医療機関にとっては、実務の再設計によって十分に挽回可能な改定だといえます。

さらに、検査側ではPSG(精密検査)が3,570点と2,000点の区分に整理されました。
ここは単に点数が変わったという話ではなく、自院の検査運用がどの区分に当たり、どの患者をどの導線で検査・治療につなぐかを再確認する良い機会です。

改定後に差がつくのは「理解の早さ」より「運用の早さ」です

改定当初は、どうしても情報収集に時間が取られがちです。しかし現在は、実際の運用を見直す段階に入っています。
今回の改定は、知っているかどうかより、院内で問診、検査、治療継続支援をどれだけ早く回せるかで差が出ます。対象患者の拾い上げとCPAP管理の体制整備に着手すれば、十分に立て直しは可能です。

まず見直したいのは、CPAP管理の考え方です

今回の改定で明確になったのは、「導入したか」より「継続できているか」が重視される方向です。
充実管理体制加算の算定には、モニタリング可能なCPAPの利用が前提となり、施設全体で40%以上の患者が1日4時間以上・月20日以上の治療継続
を満たすこと、さらに患者個人として

も、過去3か月以内に平均使用時間が1時間以上となる月が1か月以上あることが要件に含まれています。ここは、点数の話というより、継続管理を実際に回せるかどうかの話です。

現場感覚で言えば、改定後にまず取り組むべきなのは、機器そのものの見直し以上に、「誰が、いつ、どのデータを見て、継続不良の患者にどう声をかけるか」を決めることです。

点数対策は、患者フォローの設計とセットで考える

ここは算定に強い先生ほど共感いただけると思いますが、加算は書類だけでは取りにいけません。治療継続率の要件が入る以上、導入初期のフォロー、マスク違和感への対応、使用時間が短い患者への早期介入が欠かせません。
CPAPは始めるより続けるほうが難しい治療です。だからこそ、改定後の実務対策は「点数対策」ではなく「継続支援の仕組みづくり」と捉えたほうが、結果的に算定にもつながります。

PGとPSGは、いま一度「役割分担」で整理し直す

検査については、改定後に見直したいポイントが比較的明確です。
PSGは実施形態に応じて評価区分が整理されています。自院で実施するのか外部と連携するのかによって運用も変わるため、自院の検査体制を改めて確認することが重要です。特に、検査から治療までの導線をどのように設計するかは、改定後の運用を考えるうえで重要なポイントになります。

自院で実施するのか、外部と連携するのかによって運用も変わるため、自院の検査体制を改めて確認することが重要です。特に、検査から治療までの導線をどのように設計するかは、改定後の運用を考えるうえで重要なポイントになります。

問診でSASが疑われる患者にはまず簡易検査を行い、AHI(RDI)30回/時以上ならそのままCPAP治療へ、30回/時未満の場合はPSGで再評価し、AHI15回/時以上ならCPAP治療に進むという流れです。
運用上は、このフローを院内で共有できているかどうかが非常に重要です。

今だからこそ、院内フローを軽くする発想が大切です

改定対応というと、つい「新しいことを増やす」方向に考えがちです。ですが、改定後の現実的な対策は、むしろ院内の負担を増やさずに回せる形をつくることです。
ただし、こうした体制整備をすべて院内だけで進めるのは決して簡単ではありません。弊社の医療機関向け支援サービスでは、新しい設備や専門スタッフの準備がいらないこと、各診療科の治療を行いながら睡眠治療もできること、他院に出さずにトータルケアしやすいことが大きなポイントになります。

「できることを増やす」より「止まるポイントを減らす」

改定後に多いのは、方針は決まったのに実務が止まるケースです。
たとえば、依頼書の流れが分からない、検査日程の調整で詰まる、解析結果の戻りが見えない、CPAP導入後の説明が属人的になる。
このあたりは、ひとつずつ解消すれば診療は回りやすくなります。特にSAS診療は、院長ひとりの理解ではなく、受付、看護師、事務、外来看護の連携が回るかどうかで差が出ます。

これからできる改定対策は、大きく3つです

1. CPAP患者の継続状況を“見える化”する

最優先はここです。現在のCPAP患者について、使用時間が短い患者、装着が安定していない患者、しばらくフォローが薄い患者を洗い出し、継続支援の対象を明確にすること。
加算要件を考えても、ここを後回しにはできません。治療継続率の改善は、診療の質にも算定にも直結します。

2. PGに回す患者像を院内で共有する

SAS診療を伸ばしたいのに検査件数が増えない施設は、入口の認識が揃っていないことが多いです。
高血圧、肥満、糖尿病、循環器疾患、夜間頻尿、いびき、日中眠気。このあたりを問診で拾ったらPGを検討する、という共通認識を作るだけでも導線は変わります。

3. PSGとCPAPまで含めた説明フローを整える

PGまでは進んでも、その先のPSGやCPAPで患者説明が弱いと離脱が起きます。だからこそ、「この結果なら次に何を説明するか」を事前に決めておくことが大切です。
CPAPは最も一般的な治療法であり、いびき・無呼吸の軽減、睡眠の質改善、日中の眠気軽減、血圧低下、合併症予防が期待される一方、脱落を防いで継続して使用することが重要です。
この“効果”と“継続の大切さ”の両方を入れるのがポイントです。

まとめ

2026年度診療報酬改定は、SAS診療にとって“逆風”だけの改定ではありません。
CPAP管理料の見直しはありましたが、充実管理体制加算、PGの使いやすさ、PSG区分の整理など、運用を見直すきっかけもはっきり示されています。
今からでも遅くありません。むしろ、情報が一巡した今だからこそ、数字ではなく現場フローとして整え直せる時期です。

SAS診療は、検査を出して終わりでも、機器を入れて終わりでもありません。
問診で拾い、検査につなぎ、必要な患者を治療継続まで支える。この流れが回れば、診療の質も患者満足も、結果として算定も安定します。
院内フローを見直すことで、診療の質と運営効率の両立を目指すことができるでしょう。

参考文献

  • 令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】厚生労働省
  • 日本呼吸器学会(市民向け解説)
    https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/i/i-05.html
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット
    https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-026.html
  • 厚生労働省 睡眠ガイド2023
    https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf

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